18/09/04



    9日目 土曜日。朝5時50分、目覚ましが鳴る。6時半にローレンス・タワーの下で兄と I と待ち合わせる。旅も終盤に差し掛かり、皆疲れが溜まって
いるようだった。7時3分バーミンガム・ニューストリート駅発の電車に乗り、北へ3時間、目指すはイングランドとスコットランドのボーダーシティとして有 名 な、
カーライル。ここで車を借り、湖水地方へ下っていくというプランである。

    カーライルに到着したのが、10時過ぎ。駅で道路マップを買うべきかどうか迷ったが、無事車を借りられてからということにした。僕は、かなりそこが
不安だった。ドライバーのIは免許取得後、半年しか経っておらず、イギリスのレンタカー会社の多くは、取得後1年以上経過していることを必要とすることを
聞いていたからだ。

    駅を出、とりあえず事前に予約を入れておいたエービスの代理店に向かうことにする。途中、グレッグスというパン屋に立ち寄る。ここのグレッグスは、
売れ残りをかなりの安値で叩き売っており、お金が尽きてきていた僕らは大喜び。兄など、「今日の昼飯と晩飯分」とか言って袋一杯に買っていた。

    エービスの代理店は駅からずっと離れた所にあり、予想よりかなり小さな店だった。着くと何故か店は閉まっている。土曜日の営業時間は午後1時までの
はずなのに、どうもおかしい。きっと一時的にどっかに行っているのだろうと思い、時間潰しに、道路を挟んで向かい側にあるショッピングモールに行くことに する。
ここで、兄は靴を買った。

    さて、11時過ぎにもう一度店に行ってみると、今度は店が開いている。ホッとした。Iは国際免許証等を見せ、ドキドキと待つ。すると、何の質問もなしに、
「前の駐車場にある、黒い車です」と貸してくれた。こういう時に、イギリス人の適当な所が有難く思える。しかし、事故ったら保険とか効くのだろうか...
不安だった。 車はフィアット社のなんとかっていう黒いマニュアル車。さあ、いざ発進!皆かなり緊張していた。何せ日本と同じ左側通行とは言え、交通規則
も何も知らない アドリブ走行である。しかし、最も緊張していたのは、ドライバー本人だっただろう。免許取得後6ヶ月で、イギリスで運転することになり、
しかも普段乗りなれてないマニュアル車。彼の勇気に敬意を表さずにはいられない。

    さてまず目指すは、湖水地方で最も大きなウィンダーミア湖。
地図はまだ買っていな かったが、「地球の歩き方」についてい る、大雑把な地図で間にあわす。
A6 を南に1時間ほど下り、一旦ペンリスで休憩する。


    ペンリスからA592に乗り換え、南へ下ること、20分。左手にアルズウォーター湖が見えてくる。山と湖の見事な調和、綺麗だった。駐車場に車を停め、
すこし周りを散策することに。近くのお土産屋で、やっと地図が買えた。




    30分ほどゆっくりとした後、A592をさらに南へ走る。途中幾度も景色の良い所で車を停めてもらう。光の当たり具合によって変化する山景、
変 わり行く雲。
決して飽くことのない景色に、何度シャッターを切ったことか。




    ウィンダミア湖に着いたのは6時前。ここは一変して、観光地といった感じの街だった。ピーターラビットのお店に入ると、中はほぼ全員が日本人観 光客で
びっくりした。お土産を買い、街を後にする。





    日も大分暮れ、夜道を車で走るのは危険だと思い今夜のユースホステルに向かうことに。ホークスヘッド・ホステルは、ウィンダーミア湖の西側。湖を時計
周り にぐるっと周り、山道を走る。Iは大分運転に慣れてきたようで、スイスイとスピードが出る。走ること40分、夜7時過ぎに無事辿りつく。

    晩飯は、朝グレッグスで買ったパンを食堂の電子レンジで暖め食べることにする。夜はビリヤードなどをして楽しく過ごす。



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