27/03/07

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8時過ぎ、ユースホステルで朝食をとる。

どうやらここのユースは、アパートを改造して作られたようだ。

9時過ぎ、地下鉄に乗りベルリンの街へ出かける。

ぽかぽかと暖かい春日和。

大学の敷地内にあった古本市場を散策する。



戦争記念碑。



今回の旅は、誰もまったく事前調査というものをしてこなかった。

よって、目の前にある建物が一体何なのか初め見当がつかない。

初め後悔したが(旅の直前まで極めて忙しかったのでしょうがなかったのだが)、

「地球の歩き方」のようなガイドブックを事前に熟読した人が、

その誇張された写真と実際のモノとのギャップに、がっかりしてしまうとよく聞くことを考えると、

ある意味、みるものみるものが新鮮に見えて、このような旅の仕方もありかなと途中思えるようになった。

少なくとも僕はそう思って、自分の不用意な様を慰めていた。

こういう状況でとても勉強になるのが、街や国の歴史が展示された博物館。

偶然、ドイツ歴史博物館 (Deutsches Historisches Museum) を見かけたので、

4人の合意で入ることにした。

紀元前100世紀から現代に至るまでの、ドイツの歴史が「客観的に」展示されている。

すばらしい博物館だった。

英語の解説も、ほぼ全ての展示物に貼ってあり、

丁寧に一つ一つ読んでいたら、結局4時間もここで時間を使ってしまった。

第二次世界大戦のセクションは、

5000万人の命を奪った戦争が起きるまでの経過、

戦時中の様子、また戦後の復興が木目細かく解説されており、非常に勉強になった。

ちょうど、社会科見学にきている中学生ぐらいのクラスがいて、

ドイツでは戦争に関する教育がしっかりとなされていると

改めて思わされた。



ベルリン大聖堂の前にて、気分の乗らない3人を撮る。



今回の旅では、僕が専属カメラマンの役割を果たす。

よって、問答無用で写真を撮りまくった。



昼食後、

川に面して建つ、ベルリン大聖堂の中を見学する。

ここは、1894年から1905年に建設された、比較的新しい大聖堂。

ベルリンにある多くの建物と同様、ここも第二次世界大戦で空爆され、

天井のドームを含む大部分が破壊されてしまったらしい。

1980年代に、やっとのことで修復が完成したと資料に書かれていた。



Masaが、教会の屋根部分に登れることを発見し、

Chieと3人で登ることにした。Izumiは高所恐怖症らしい。



ここからベルリンの街が見下ろせた。

イギリスに比べると、比較的新しい建物が多く、

いささかあっさりとした街の風景だなと、印象を受けた。

「戦争」という言葉が再び頭をよぎる。



大聖堂を出た後、美術館が閉館する6時まですこし時間があったので、

MasaとIzumiと共に(chieはAltes Museumにいった)、

ペルガモン博物館に行く。

個人的にはドイツ絵画を是非観たかったのだが、

周りには美術館や博物館がたくさんあり、一体どこに自分の求めているものがあるのか分からなかった。

やはり事前調査は大事。

しかし、ペルガモン博物館も、予想以上に、

スペースをうまくつかった、迫力のある展示だった。

巨大な部屋に、ペルガモン神殿がそのまま再現されていたのが印象に残っている。




旅で必要なのは、

尽きない興味や関心、学ぶ心。

しかし現実的に考えると、

体力とお金がかなり大切だったりする。

お金はないけれど、体力のある(?)僕達は

地下鉄など使わず、すべて歩いて移動する。


ベルリンの壁は街を囲むようにして建っていた。

街には4つほど東西を行き来できるチェックポイントがあったらしく、

その一つである、チェック・ポイント・チャーリーという場所を訪れた。

1961年から1989年の間の30年近くに渡って、

イデオロギーの違いという大きな壁が、街を分断していた。


ドイツ人の友人に聞かされていたように、

西から東に入った時、雰囲気が微かに変わったのを肌に感じることができた。



ポーランド人が経営するスーパーにて、フルーツとお菓子を購入。

この辺りになると、皆かなり体力的にも疲れていた。言葉数も減る。



中華レストランをみつけ、そこで晩飯を食べることにする。

辛いものが苦手なMasaはヒーヒー言いながら食べていた。



ユースホステル近くにある橋は

ベルリンの壁が最初に崩壊し、

東の住民が西に一斉に行進した歴史的に意味のある場所と分かった。

それにもかかわらず、人の気配は常に少なく

歴史がすこしづつ忘れさられてしまう

危惧を少し抱いた。




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